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整備士の年収は都市と地方でどれだけ違う?手取りを左右する本当の要因
都市と地方で整備士の年収がどう違うのか気になる…という疑問に、勤務先の業態と地域で変わる収入構造の実際でお答えします
この記事のポイント3つ
- 整備士の年収は、地域の違いよりも勤務先の業態による差のほうが数字としてはっきり表れる
- 日整連の令和7年度調査では、整備要員の平均年収は442万8,900円(前年度比4.0%増)で、上昇傾向にある
- 手取りの感覚は、額面だけでなく家賃・通勤費・車の維持費まで含めて比べると見えてくる
この記事の結論
- 一言で言うと、都市と地方の差は「地域」だけでなく「構造」で決まる
- 最も重要なのは、年収の数字を業態・規模・手当に分けて読むこと
- 失敗しないためには、額面ではなく生活費まで含めた手取りで比較すること
- 地域差を気にするより、どの業態でどの資格を活かすかが長期の収入を左右する
整備士の年収は何で決まるのか|公的データで読み解く
全体の水準と、右肩上がりの背景
日整連の令和7年度調査によると、整備要員の平均年収は442万8,900円でした。
前年度比で4.0%の増加です。
国土交通省の資料でも、自動車整備業の年間所得は2年間で約9%増えています。
背景にあるのは、人手不足です。
国土交通省の資料では、約6割の事業者が整備士不足を実感しているとされ(令和5年度)、自動車整備専門学校の入学者数は過去18年で約47%減りました。
担い手が減る一方で、乗用車の平均車齢は9.44年と33年連続で高齢化し、総整備売上高も6兆6,592億円まで伸びています。
仕事は増え、人は足りない。
この構図が、待遇改善の追い風になっていると考えられます。
厚生労働省 job tag の求人賃金(月額25.1万円)も、有効求人倍率5.45倍(令和6年度)とあわせて見ると、売り手市場の様子が分かります。
地域より大きい差|業態による年収の開き
では、都市と地方でどれだけ違うのでしょうか。
ここで正直にお伝えしたいのは、本記事で引用できる公的な数字の中に、都市と地方を直接比べたデータは含まれていないということです。
地域差を断定的に語ることは避け、数字として確認できる「業態の差」から見てみます。
日整連の令和7年度調査では、業態別の平均年収は次のとおりでした。
- ディーラー:535.1万円
- 専・兼業(独立系の整備工場など):401.5万円
差は約133万円。
整備士全体の平均442万8,900円を挟んで、上下にこれだけ開いています。
地域の違いを気にする前に、業態の違いのほうが大きな差として見えている。
これが、年収を考えるうえでの出発点です。
業態の差が、都市と地方の差に見えやすい理由
一般的な見方として、都市部にはディーラーの店舗や規模の大きい事業場が集まりやすく、地方には少人数の整備工場が多い傾向があるといわれます。
国土交通省の資料では、認証事業場の整備要員は2〜3人が54.9%、4〜10人が40.4%。
小規模な事業場が大半を占めています。
もし、都市部のほうが規模の大きい職場や特定業態の割合が高いとすれば、「都市は高い、地方は低い」という印象は、地域そのものではなく業態や規模の構成の違いから生まれている可能性があります。
つまり、同じ地方でもディーラーに勤めれば業態の水準に近づき、都市でも小規模な工場なら別の水準になる。
こう考えると、地域だけで年収を判断するのは危ういと分かります。
手取りを左右する本当の要因と、比較で確認したいこと
要因1|勤務先の業態と規模
年収を決める最大の要因は、前述のとおり業態です。
ディーラーは平均が高めな一方、勤務先のメーカーや店舗規模によって条件が変わります。
独立系の整備工場は平均が低めに出るものの、経営の安定した工場や、専門性の高い工場では異なる水準になる場合があります。
求人票を見るときは、業態名だけでなく、整備要員の人数や取り扱い車種まで確認してください。
要因2|資格と専門性
もう一つの要因は、資格と専門性です。
2級整備士の上に1級があり、車体整備や電子制御といった専門分野の知識も評価につながりやすい傾向があります。
これは一般的な見方で、評価の仕組みは会社ごとに異なります。
中日本自動車短期大学(NAC)の自動車工学科は、2級自動車整備士コース、1級自動車整備士コース、車体整備士コースに分かれています。
2級の履修時間は、専門学校の1715時間に対し845時間。
差の約870時間を、先進技術や興味のある分野に充てられます。
入社時点でどんな専門性を持っているかは、その後のキャリアの伸び方にも関わってきます。
要因3|生活費まで含めた手取りの感覚
年収の額面が同じでも、暮らしの余裕は同じとは限りません。
比較するときは、次の項目も一緒に並べてみてください。
- 家賃や住宅費
- 通勤にかかる時間と交通費
- 車の購入・維持費(地方では通勤に車が必要な場合が多い)
- 勤務先からの手当(住宅手当・資格手当・通勤手当など)
一般に、都市部は住居費が高くなりやすく、地方は車の維持費がかかりやすい傾向があります。
どちらが得かは、住む場所と働き方で変わります。
額面の高さに惹かれて都市部を選んだものの、生活費を引くと余裕が思ったほど変わらなかった、という判断のズレは起こりえます。
逆の場合も同様です。
比較で確認したい4つの判断基準
地方と都市の求人を見比べるときは、次の4点を同じ表に書き出してください。
- 月給の内訳(基本給と手当の割合)
- 賞与や昇給の有無と、その水準
- 住居・通勤にかかる費用の見込み
- 資格取得や研修への支援
1社の数字だけで即決せず、少なくとも2〜3社を同じ基準で並べるのが失敗しにくい進め方です。
年収の数字が気になるのは自然なことです。
ただ、数字だけを追って職場の雰囲気や教育体制を見落とすと、長く続けにくくなります。
求人票の「年収例」を読むときの注意点
求人票には「年収例」や「モデル年収」が載っていることがあります。
この数字は、どんな条件の人を想定したものかによって意味が変わります。
勤続年数、保有資格、残業時間、手当の含み方。
これらが書かれていない年収例は、他社と単純には比べられません。
気になる求人があれば、次のことを面接や見学で質問してみてください。
- その年収例は、何年目・何級の資格を持つ人のものか
- 残業代や各種手当は、その金額に含まれているか
- 賞与は年に何回、どのような基準で支給されるか
聞きにくい質問に感じるかもしれません。
ただ、誠実に答えてくれる職場は、入社後の説明も丁寧である場合が多いものです。
入社時の額より、伸び方を見るという考え方
もう一つ、見落とされがちなのが「その後の伸び方」です。
最初の年収が高くても、昇給や資格手当の仕組みが乏しければ、数年後には差が縮まることもあります。
逆に、入社時は控えめでも、資格取得の支援が手厚く、役割が広がるごとに評価される職場もあります。
整備士の平均年収が前年度比4.0%増となっている今は、待遇が見直されやすい時期ともいえます。
だからこそ、現在の額に加えて、数年後にどう変わるかを質問しておく価値があります。
収入面から見た学校選びの視点
就職先の幅が、収入の選択肢を広げる
収入の選択肢を広げるには、就職先の幅を持つことが有効です。
NACは全メーカー対応校で、国産・輸入車を問わず学べ、整備士のほか開発・設計・レースメカニックなど幅広い進路があります。
就職決定率は100%(2014〜2025年3月卒業生)で、卒業生約25,000名と関連企業200社以上でつくる就職支援組織「日本ライン会」も持っています。
対応地域は岐阜・愛知・三重・静岡・滋賀・長野で、寮・下宿の紹介もあり遠方入学者も在籍しています。
どの学校でも、卒業生がどのような業態に就職しているのかを聞いておくと、収入のイメージがつかみやすくなります。
よくある質問
Q1. 整備士の平均年収はいくらですか?
A1. 日整連の令和7年度調査では、整備要員の平均年収は442万8,900円で、前年度比4.0%増です。
業態別ではディーラー535.1万円、専・兼業401.5万円と差があります。
Q2. 都市部のほうが年収は高いですか?
A2. 本記事で引用できる公的データには、都市と地方を直接比べた数字はありません。
業態や規模の違いが影響している可能性があるため、地域だけで判断せず、求人ごとに確認してください。
Q3. 地方では年収が下がりますか?
A3. 一概には言えません。
地方でもディーラーや大きめの事業場に勤めれば、業態に応じた水準になります。
生活費も含めた手取りで比べるのが現実的です。
Q4. ディーラーと整備工場の年収差は何ですか?
A4. 日整連の調査で、約133万円の平均差があります。
ただし平均値であり、メーカー・規模・手当の有無などによって個別の条件は異なります。
Q5. 年収を上げるには何をすればよいですか?
A5. 上位資格への挑戦や、専門分野の知識を深めることが一般的な方法です。
国土交通省の資料では、自動車整備業の年間所得は2年間で約9%増えています。
待遇は改善の方向にあります。
Q6. 手取りを比べるときに見るべき項目は?
A6. 基本給と手当の内訳、賞与、住居費、通勤費、車の維持費です。
額面が高くても、生活費を引いたあとの余裕が小さいケースは起こりえます。
Q7. 求人賃金の月額25.1万円は年収にするといくらですか?
A7. 月額25.1万円を単純に12倍すると約301万円ですが、賞与や手当は含まれません。
実際の年収とは数字の性質が違うため、目安として受け取ってください。
Q8. 将来の年収は上がっていきますか?
A8. 近年は上昇傾向です。
整備士不足を実感する事業者が約6割あることから、待遇の改善が続く可能性はあります。
ただし将来の保証ではないため、複数の職場を比べて判断してください。
Q9. 年収の低い業態を選ぶと損をしますか?
A9. 損とは限りません。
平均年収が低めの業態でも、扱える車種の幅や教育環境、働き方の自由度に魅力がある場合があります。
収入だけでなく、成長環境と暮らし方まで含めて比べてください。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 整備士の年収は、地域よりも業態の差が数字として大きく表れる(ディーラー535.1万円、専・兼業401.5万円)
- 都市と地方の印象の差は、業態や規模の構成から生まれている可能性がある
- 額面だけでなく、住居費・通勤費・車の維持費まで含めた手取りで、複数社を比べて決める
数字の見方が分かったら、次は自分に合う学び方と進路を確かめてみてください。
全体像がつかめたら、次は候補校を実際に見て確かめる番です。
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